個太郎塾 稲田堤教室・市が尾教室のブログ

個太郎塾塾長のブログです

神奈川県 公立高校入試 2021年 倍率分析(志願変更前)

2月1日、神奈川県公立高校入試の倍率が発表されました。今回は志願変更前ではありますが、昨年との倍率差から受験生の動きを考えます。


次の画像は、私が指導する稲田堤教室と市が尾教室の通学範囲のみですが、各高校の倍率を偏差値順に並べたものです。(横浜北・横浜中・川崎・相模原学区の県立と、横浜市立・川崎市立の普通科のみ。同偏差値校は50音順。)

 

f:id:kotaro_inada:20210202020408p:plain

偏差値順にすると、傾向がある程度見えるように思えます。


まず、最上位校の人気は依然として高いものの、その下の光陵・桜丘・新城・港北あたりが減少しています。これらの層が、金沢・市ヶ尾・生田あたりに移ったように思えます。ただし、それだけではまだ4校分の減少を埋めるには至らず、他にも隠れた動きがあるように思えます。

 

次に目立つのは中位校の人気です。実際は真ん中よりやや上の層ですが、上溝から住吉あたり。その上の元石川も昨年より減っていますが、まだ人気を維持した倍率です。上溝から橘までのランクに人気が集中したとみても良いかもしれません。

 

ただし、光陵・桜丘・新城・港北の減少が、住吉・上溝の増加につながっているかと考えると、ちょっと偏差値が離れているように思えます。安全志向が働いて、受験者が少しずつ下にスライドした可能性はあるものの、光陵・桜丘・新城・港北を狙う生徒は成績も十分ですから、私立単願に流れた可能性の方が大きいと感じます。

 

高津の低倍率を受け、住吉→高津の志願変更が起きるように思えますし、鶴見にもまだ人が集まるように思えます。志願変更はすぐに動き始めないと間に合わないタイトなスケジュールですが、短期間でもしっかり考えて、悔いのない選択をしましょう。


最後に、全体としては偏差値が下がるほど倍率が下がる傾向にあり、定員割れした学校も少なくありません。しかし、定員割れの学校を志望する方もぜひ勉強を続けてください。知識が増え、過去問にも慣れ、きっと今、伸び盛りのはず。伸びてきた芽をもっと育てられるように、自己ベスト更新に楽しみを見出して、勉強していってくださいね。


 皆様の健闘を心より応援しています。


個太郎塾 稲田堤教室・市が尾教室

北村昌之


みたけ台中学校 2年 後期中間試験分析 2020年11月

今回はみたけ台中学校の分析。


みたけ台の定期試験は、次期指導要領に備えて作問されているように思えます。新指導要領では、英語が圧倒的難化、他科目も必要なスキルが変化します。どのように指導すればその波を乗り越えられるか、各先生考え抜いて試験を作られているように感じます。

 

・英語

表現30点、理解32点、言語38点

リスニングは道案内や状況選択など頻出パターンのみ。リーディングも大問1つのみで難度は平均的。よって、ライティングスキルを重視した試験と言えるでしょう。

ライティングは和訳より、英訳が重視されています。難しい文法は出ておらず、発信語彙が多く採用されています。来年の教科書改訂で著しく単語数が増えますが、そうなっても対応できるよう、日常的に使用する発信単語を書けるようにする狙いが伺えます。

この試験で点数をとるためには、試験範囲のワークを繰り返すだけでは不足してしまうでしょう。英作文でよく使う既習文法、日常的に使用する既習語彙の定期的な復習が求められます。

 

・数学

知識・理解12問26点、技能20問42点、見方・考え方15問32点

分数の使用が少なく、計算の難度は他校に比べてやや低い印象です。一方、理由を問う問題が用意されていることや、見方・考え方では応用文章題というより、現象への理解を問うような問題が目立つことから、複雑な問題への対応力よりも標準的な知識を日常・他分野に応用していくことを重視しているように思えます。そういった意味では、次期指導要領や大学入学共通テストに向けて、真摯に取り組んでいるテストと言えるでしょう。この試験で点数をとるためには、問題集を繰り返してパターンを暗記するだけでなく、グラフ・表から現象を説明する練習が重要です。塾に通っている子は先生と、そうでない子は友達と、日々意見を交わし合いましょう。

 

・国語

漢字20問、文法10問、短歌14問、小説①11問、古典15問、小説②8問+聞き取り問題

個人的に、国語が一番大変だったように思います。10ページは国語のテストとしては決して多くないものの、情報がぎっしり詰まっています。内容としては、技法・表現、場面理解や心情理解を確かめる問題が多く、そのうえで後半に「作者の意図」、「時代背景」についても出題されています。スピードがネックになる子も出てしまう分量と思いますが、標準題のみで構成されているため、対策がそのまま点につながる構成です。しっかり対策できた子は面白かっただろう。手ごたえを感じただろうと思える試験です。

このテストで点をとるためには、基本的な対策の徹底が何より重要となるでしょう。教科書を読み込んでどこに何が書いてあるのか、重要な部分はどこかを暗記し、解答スピードを上げていきましょう。また、技法や文法をもれなく暗記していきましょう。

 

・理科

教科書準拠ワークに沿った問題が目立ちます。ワークの学習を頑張った生徒ほど得点しやすい構成です。こう書くと対策が簡単そうに見えますが、計算や図的なイメージが必要な電流・磁界を含む範囲での全65問。なかなかのスピードが求められます。難問はないものの、パッと見ただけで解法を思いつくようになっておかなければいけませんし、計算もスピードと正確さが求められます。提出のためにワークを1周行うくらいでは、点が取り切れないでしょう。このテストで点をとるためには、提出範囲の完成後、間違えた問題を何度も繰り返す必要があるでしょう。

 

・社会

歴史であれば教科書太字レベルの出来事や制度など、地理であれば都道府県名と県庁所在地、山脈、河川、海流など、基礎内容が目立ちます。ただし、記述題が多く、漢字指定もされているため、確かな学習量なしには高得点が取れないテストです。また、資料が非常に豊富に使われています。

公立中のテスト直しレポートは、数学が最多、次いで英語・理科という印象ですが、みたけ台では社会もテスト直しレポートも課しています。テストは基礎中心、さらにその失点をレポートで直させる方針から、作問した先生は基礎知識定着を何よりも重視していることが分かります。資料の読み取りは数問あるものの、考察問題は少なく、思考をはかるために他のプリント等を用意してあることでしょう。

 

次回は定期試験でなく、難化する英語について触れたいと思います。

中野島中2年 前期期末試験分析 2020年9月

【中野島中2年 前期期末試験】

 

・英語
リスニング12問、英作文6問、知識文法20問、読解8問。
単語記述、穴埋め選択、並べ替え、英作文、読解、どのタイプの問題も欠かさず出題されています。穴埋めは多くがBe動詞とDoの形を判断する問題、並べ替えは重要表現を用いたものが目立ちます。読解はセンター試験・公立高校過去問を簡単にしたような問題で、教科書準拠の問題集だけでは対策が難しく、工夫が必要となるでしょう。英作文は配点が高く、特にラスト2問は合計18点、ここを逃すと高得点は難しいでしょう。
総合して、読解、英作文が苦手な生徒は点の伸びにくい構成となっています。知識の暗記で満足せず、それらを活用してほしいというメッセージが込められているように思えます。この問題で高得点をとるためには、学校の問題集を繰り返すだけで不足が出るでしょう。問題集を行った後、読解、英作文を別教材で練習することが求められます。


・数学
技能37点、知識・理解36点、見方や考え方27点。
上記のように配点バランスがよく、他の学校同様、計算問題の中にレベル幅を持たせて細かく計算技能を評価しています。知識題は用語自体を答える問題はなく、用語の定義が分からないと答えられない問題を出し、それをもって知識・理解をはかろうとしています。言葉の理解を大切にしている先生のように思えます。3ページ目は全て文章・図形題となっており、どの問題も頻出パターンです。このテストで点をとるためには、まず用語の定義をしっかりと確認し、人に説明できるようにしましょう。そのうえで、問題集を繰り返していくと良いでしょう。

 

・国語
漢字20問、アイスプラネット15問、枕草子12問、バイオロギング17問。
問題数としてはバイオロギングが最多であるものの、アイスプラネットに50字程度の記述が2つ含まれており、結果的にアイスプラネットへかける時間が一番多くなるでしょう。このテストで点をとるためには、記述題にある程度の時間を割くことを考え、選択題に時間をかけないことが大切です。教科書本文を何度も読み、どこに何が書いてあるのかをさっと答えられるようにしましょう。また、意図的に似た選択肢を設けている節もあり、4つの選択肢を読み切ったうえで解答するよう心がけましょう。

 

・理科
生物、地学、物理から出題。中野島は他校に比べて理科の範囲が広い(前年内容が含まれる)ことが特徴で、難度はやや高めです。しっかりついていけば入試の得点力も自然と上がっていくでしょう。

このテストでは、複雑になりやすい単元は選択題を設け、単元間の難易度をフラットにする工夫がなされています。しかし範囲が広く、70問と問題数も多いため、スピードが必要です。このテストで点数を取るには、標準的な問題をスピーディに解けるよう、教科書準拠の問題集を何度も繰り返すことが大切です。

 

・社会
歴史は、高校入試ではなく、高校日本史、高校世界史への導入が意識されているように思えます。頻出の知識を問いながらも、問い方、選択肢が他の学校と比べて独特で、教科書の暗記だけでは点の取りにくいテストです。このテストで点を取るためには、説明から出来事を選択する問題よりも、出来事の内容を説明する問題に慣れておく必要があるでしょう。

地理分野は、前半は用語を素直に入れていく問題が目立ち、後半には様々なグラフを用いた読み取り問題が用意されています。資料題の練習は必須です。問題集をこなすか、常日頃から資料を読み、読み取れることを質疑応答していくと良いでしょう。

 

総じて、難問は出されず、1つ1つの問題を見れば例年並みのレベルでした。しかし、通常であれば6・7月に行っていたテストが9月に移動し、対策すべき範囲が広がりました。単純に難化と言えるでしょう。

次回は12月頭のため、残り1.5か月間でしっかり上げていきたいところです。

 

テストがまた近くなってきましたので、テスト分析の公表は、今回はここまで。菅中、中野島中、南菅中の生徒たちには、今週末から無料のテスト対策会を実施していきます。

 

菅中学校 前期期末試験 分析 2020年8月

菅中では、7月に前期中間試験の代わりとして小テストが行われました。さらに期末試験が8月下旬の実施となり、夏休みの多くが試験対策に費やされました。1年の復習に時間を割けなかった生徒が多く、これを冬に解消していかなければいけません。

 

【菅中2年生 前期期末試験】

・英語
リスニング21点、表現31点、知識36点、理解12点。
リスニングは選択題のみで、最後の問題を除けば選択肢はシンプル。聞くことに集中できるよう配慮されています。筆記は初手から14問英作文が続き、ここで時間をかけると後がきつくなるでしょう。続く知識題は問われやすいところが意図的に出題されています。また、並べ替えではListen to、This movieなど語が予めセットになっています。読解はレベルの異なる2問が用意され、1問目は語句の注釈も多く、読みやすい内容です。2問目は注釈が少なく、指定された1文が入る場所を考える問題のため、やや難度が上がります。どちらも「文を読めているかどうか」を確かめる問題構成です。


総じて、各問題で把握したいスキルを1ないし2つまでに設定しており、各項目個々の理解を正確にはかろうとしている様子が見られます。このテストで点をとるためには、1つ1つの文法を個別に対策できる「学校の問題集」を繰り返すことが何より効果的でしょう。また、英作文対策も必須です。自分のことを書く問題も多かったため、英語の日記をつけるのも良いでしょう。

 

・数学
幅広いレベルの計算が出題されており、技能をどこまで高めたのかを細かく把握できるよう配慮されています。中1・中3にも言える全体的な傾向として、前期試験は他校に比べて計算問題が多く、担当の先生は基礎の積み重ねを最重視しているように思えます。応用題は大問8・10・11のみです。このテストで点数をとっていくためには、計算題の繰り返しが重要となるでしょう。公式的にではなく、しっかり仕組みを把握しながら計算練習にあたることで、自動的に大問8以降の標準、応用題の理解も高まる構成となっています。

 

・理科
基礎用語、実験操作、その注意点、計算、考察、あらゆるパターンがバランスよく配置されています。問題は50問以上あり、選択より記述が多く、全体の3割ほどが計算・グラフ記述問題です。そのためスピード不足が心配されます。一方、難問はなく、難しくなりやすい電流と磁界の分野が選択題となっています。単元間の難易度がフラットになるよう、意図的に調整しているように思えます。実験は頻出のもの以外使われておらず、標準的な問題を何度も繰り返し、精度を上げることを生徒たちへ求めています。
このテストで点をとるためには、難問へのチャレンジよりも、標準問題に対する精度向上が大切です。また、菅中の実験は教科書に沿って基本通り行われており、その通りテストに出題されています。知識・計算題のバランスが良く、実験操作の注意点が出題されている学校の問題集を繰り返すことが何より効果的となるでしょう。

 

・社会
地図、グラフ、年表、写真と、様々な資料を用いています。計算問題、あてはまらないものを選択する問題、年代順を答える問題などもあり、幅広いタイプの問題が混在しています。また、通常とは異なる問い方をしている問題もあり、1問1答の単純暗記では点が取れないように工夫されています。暗記だけで終わらず、知識を活用してほしい。そのようなメッセージが読み取れます。このテストで点数をとるためには、教科書の太字をただ暗記していくような学習ではいけません。授業プリントを何周も読み返した後、教科書準拠の問題集でグラフや資料に慣れておくと良いでしょう。(配布されないため、市販教材を購入すると良いでしょう。)

 

総合して、どの科目でも難問は出されず、文章量も多い方ではありません。その代わり、生徒の理解状況を段階的に把握するための工夫がなされており、その工夫を読み取れないと思わぬミスが出ます。「うっかりミス」が多い生徒は間違えの出やすいテストとなっていますので、特に気を付けましょう。自信がある生徒も、頭の中で組み立てず、メモしながら解く習慣をつけましょう。作問者の意図を常々考え、情報を見落とさない練習を行いましょう。

 

次回は中野島2年の分析を行います。

 

 

市ヶ尾中学校 2年 期末試験分析 2020年9月

【2年 定期試験分析】


・英語
リスニング22点、表現21点、読む30点、知識29点。リスニングは正誤問題がメインです。表現は条件英作文のみで、『自分の街について連続する4文を書く』問題も含まれます。多くの生徒が苦手とする連文、しっかり対策しておきましょう。読解は日記的な内容で読みやすいものの、2年生としては幅広い語彙が求められています。読解問題に限らず、全ての問題で日常会話における頻出単語が採用されていますので、意図的な出題でしょう。

このテストで得点を上げるためには、日常会話でよく使う単語を覚え、それらの単語を使う「和文」を思いつけるようになっておくと良いでしょう。おすすめは日記です。英語で日記をつけ、添削してもらう習慣をつけるとこのテストに強くなるでしょう。

・数学
1年の復習も含まれるものの、大半が2年範囲からの出題です。用語題は選択式のため、確実に取りたいところ。計算問題は連立方程式が主で、整数、分数、小数それぞれのパターンからもれなく出題されています。代入法の方が効率の良い問題も見られましたが、解き方の指定はされていません。


大問6から9は文章題で、合計28点あります。文章題は難問ではありませんが、教科書にないパターンの設問もあります。教科書の解法をただ覚えるだけでは高得点は難しいでしょう。このテストで高得点とるためには、文章から状況を読み取って式を立てる読解練習が必要です。

 

・国語
聞き取り10点、言語22点、関心4点、読むこと52点、書くこと12点。

配点の通り、読むことを重視しています。「新しい短歌のために」、「言葉の力」、「字のないはがき」が範囲でしたが、知識題が出されやすい短歌でも鑑賞問題が多く出題されていました。


読む問題、書く問題とも、出題されやすい箇所から出題されており、作品への理解を最重視しています。このテストで点をとるためには、音読を数周した後に教科書準拠の教材を繰り返し、作者の意図を把握すると良いでしょう。。国語の試験は、定期試験に限らず、作者の意図を理解することが大切です。


また、模範解答では採点ポイントを具体的に示してあります。次回テスト前にそれらのポイントをもう1度読んで把握しておきましょう。

 

・理科
(1)から(29)が選択題、(51)~(57)が記述題。よって大半が選択題ですが、知識、実験操作、結果の読み取り、計算、考察、全てバランスよく出題されています。組み合わせを答える選択題も多く、1つの知識が合致しただけでは正答できないようになっています。実験の流れと、各操作の意味をしっかり理解してほしい。そのような思いが読み取れる問題です。このテストで点を取るためには、基礎知識を暗記したうえで、実験への理解を深める学習が求められます。


また、選択題の後に記述題が固まっているわけではなく、(3)→(52)→(4)など、2種の番号規則が混合しています。マークシートがずれないよう、番号をしっかり確認しながら解いていきましょう。

 

・社会
理科と同じように、(1)から(31)が選択題、(51)から(56)が記述題と、2つの番号規則が混在しています。マークシートのずれに十分気を付けましょう。


総問数は多くないものの、資料、イラスト、グラフを多用しているため、8ページがぎっしり埋まっています。情報を整理しながら解く問題、計算問題もあり、設問数以上のボリュームを感じることでしょう。


このテストで高得点を取るためには、一問一答の学習だけでは足りません。資料への慣れ、問題演習が必要です。教科書・資料集・学校プリント・問題集を併用し、日ごろから様々な資料に触れていきましょう。

 

【まとめ】

どの科目も、暗記だけでは得点できない工夫がされています。暗記が最重要ではあるものの、その先、知識の「アウトプット力」をはかる狙いが見てとれます。


暗記不足の生徒はもちろん、暗記は出来ていても『複数知識を組み合わせることが苦手』な生徒は大いに苦戦したことでしょう。この記事を参考に、対策の方向性を固めていってくださいね。


次回は川崎市、菅中学校の分析に移ります。

市ヶ尾中学校 1年 期末試験分析 2020年9月

【1年 定期試験分析】
・英語
リスニング26点、読解12点、知識35点、表現27点

バランスよく、読み・書き・リスニングの全てが試されています。このテストで点をとるためには、試験範囲の知識網羅に加え、差がつきやすい条件英作文の対策が必須です。また、読解は教科書外から出題されているため、教科書とは別に文章・会話文の読解練習を行うと良いでしょう。

 

・数学

用語16点、計算54点、応用30点

用語題があり、計算題は基礎から章末レベルまでバランスよく配置されています。応用題もレベル幅を持った構成です。生徒がどの段階まで理解を深めたのか、細かく把握できるようになっています。このテストで得点を上げるには、用語の理解→計算練習→立式練習、この順で身に着けていくことが大切です。計算は得意だけど立式ができないという方は、もう1度用語の意味の理解に立ち返りましょう。

・国語
聞き取り10点、漢字20点、文法5点と記載されるものの、読解問題の中にも文法・知識題が盛り込まれ、言葉そのものの理解を最重視しています。このテストで点を取るためには、漢字と文法の暗記が最優先です。また、選択題が少なく、記述問題がメインのため、短文作成の練習も必須です。教科書準拠問題集のうち、記述題の多いものを選択し、何度も解き直していきましょうましょう。

・理科
選択題が多く、その代わり総問数も多い構成で、スピードが求められます。知識題は教科書の最重要単語で構成されているので、テンポよく解いていきましょう。図示問題が4つあり、配点が高めです。ただし全体を通してては、考察よりも知識の正確さ、現象への正しい理解を求めているように思えます。


また、テスト後にはレポートが設けられています。これがしっかりと難しく、考える力が求められます。特にレポートの(5)は凸レンズの性質をきちんと理解できていないと正確な作図ができないでしょう。

・社会
用語記述と選択題がバランスよく配置されています。文章記述も2題ありますが、短文で答える問題です。このテストで点をとるためには、長文読解からの長文記述よりも、短文・資料を読んでスピーディに答える練習が必要となるでしょう。選択題には1問で2つの知識を埋める完答型の問題が設定されており、あやふやな暗記状態では点数が上がらないように配慮されています。


【まとめ】
総じて、英数は段階的なレベルの把握ができるよう配慮されており、国理社では基礎知識・技能を幅広く身に着けさせる意図があったように感じます。テストで知識の定着をはかり、提出物や課題で他の技能をみていく、市ヶ尾中らしさが感じられる試験でした。


また、テストをゴールにせず、その後のレポート等で考察力を高めるスタイルが素晴らしいと感じます。

時間制限のある定期試験は、素早く正確に答えを出せる生徒ほど点が取りやすいものですが、社会はそのような人間ばかりを求めているわけではありません。じっくり考え、最適かつユニークな答えを出せる人間も必要で、そのような力も伸ばしていける指導・評価も行える学校は貴重と感じます。

 

次回は2年生の分析を行います。

 

市ヶ尾中学校 3年 期末試験分析 2020年9月

市ヶ尾中は、先生方の熱意が素晴らしい学校です。それが点数にも表れており、3年社会の期末試験では90点台の生徒が最多となりました。次いで80点台が多く、平均学力の高い学校です。


その環境下では、つまずく生徒のケアにも注意が必要です。他校であれば平均程度に位置する60点前後の生徒についても、自信を無くさないよう配慮しなければいけません。


では、試験の分析に移りましょう。


【3年 定期試験分析】

・英語

リスニング17点、言語・知識32点、読解17点、表現34点

英作文が多く、一定の単語力・文法スキルを下回ると大幅な失点が予想されます。このテストで点を取るためには、試験範囲の文法だけでなく、英作文でよく使う基本文法、1・2年単語も復習しておく必要があります。付け焼刃の暗記はせず、基礎からしっかり積み上げなさい。そのようなメッセージが込められているように思えます。

・数学
応用題は4問のみで、総数は42問。平均的な分量と難度。一次関数も出題されていたので、関連項目の復習は必須です。計算問題はレベルを細かく上げていく構成で、生徒がどのレベルでつまずいているのかを把握できるよう配慮されています。このテストで点をとるためには、様々なレベルの計算問題を、時間制限を設けながら正確に解く練習を繰り返すと良いでしょう。また、公式は丸暗記でなく、意味の理解まで求めているように思えます。安易なショートカットをせず、数学の基礎力をしっかり積み上げなさい。そのようなメッセージが試験問題に込められています。

 

・国語
聞き取り10点、漢字を含む言語45点、読むこと36点、書くこと9点。
配点の通り、言葉への理解を最重視しており、点数が上がりやすい構成です。ただし、書き抜き問題は「書くこと」ではなく「読むこと」にカウントされていますので、記述問題自体は配点以上に数があります。さらに総数70問以上ですので、スピードが求められるテストです。語句暗記だけでなく、文章についてもどこに何が書いてあるか暗記しておくと良いでしょう。あやふやなまま突入すると、暗記系も読解系も両方落としてしまう可能性があります。英数同様、計画的な学習を生徒に求めている様子が伺えます。

 

・理科
前半は計算問題が大半。数値は単純なものの、量が多くスピードが求められます。後半の生物も問題数は多め。全体を通しては考察よりも現象の把握と正確な操作を求めているように思えます。


市ケ尾中では、テスト後にレポートの提出が課されており、その中で考察力を高める質問がなされています。知識が固まらないうちに考察させるよりも、テストで知識を高め、その後に考察を出させる。練られた指導と感じます。


市ヶ尾中では昨年、理科の先生が不在の時期がありました。しかし現在、生徒達はしっかり理解を深めており、引き継がれた先生の並みならぬ努力を感じます。


このテストで点数を取るには、標準的な計算題の徹底練習が必要です。単純な計算問題でなく、グラフを併用した標準レベルの実験題に多く取り組みましょう。

 

・社会
社会の試験は得点分布が出されています。それによると90点台の生徒が1番多く、2/3以上の生徒が70点以上となっています。しかし、決して問題が簡単なわけではありません。幅広い範囲から万遍なく出題されています。また『誤っているものを選ぶ』『答えを2つ選ぶ』など、間違えやすい質問形式も織り交ぜられています。


さらに、年表、グラフ、イラスト、地図、様々な問題パターンを盛り込んでおり、受験問題のパターンを網羅しているようにも思えます。知識の定着だけでなく、問題への対応力も測る、計画的かつ、真摯な印象を受けるテストです。

 

【まとめ】

どの科目も明確な意図を持って作成されています。こうした先生方の姿勢が今日の市ヶ尾中学校の平均学力の高さを支えているのでしょう。試験前だけの学習では乗り切れないレベルの試験です。日々しっかり勉強していきましょう。