個太郎塾 稲田堤教室・市が尾教室のブログ

個太郎塾塾長のブログです

神奈川総合高校 舞台芸術科の入試を考える

新設された神奈総の舞台芸術

県入試の中ではかなりの高倍率となりました。


芸術科を志す皆さんにとって『特色検査でどれだけ差がつくのか、学力で安全圏までもっていくことは出来ないのか』ということは、常に気になるところと思います。


今回はこれについて考えていきます。

 

①既存芸術科からみる特色検査の得点差

※参考にする資料は、受験者の成績と学力検査の点数を模試運営会社が集計したものです。これは受験者の自己申告数値のため、完全に信用できる数値ではありません。また、この資料内には専門科のデータが比較的少なく、この点を踏まえてお読みください。

 

芸術科を持つ『弥栄・戸塚・上矢部・白山』の過去3年分の数値を見返すと、面接と特色検査で逆転したと思えるケースがいくつも見られます。ただし、成績と学力検査の点数差が20点前後の逆転がほとんどです。大きな差が見られたのは一昨年の弥栄美術科。総合点102点の差、49点の差が覆った2つのケースが見られました。

 

②都立総合芸術との比較

舞台表現科を持つ都立総合芸術高校。東京と神奈川では条件が異なるものの、比較対象が少ないだけに押さえておきたい高校です。

まず、選考全体に占める、各項目の満点を%で示します。

f:id:kotaro_inada:20210205234500p:plain

神奈総の面接と実技の合計は38%。

都立総合芸術の実技検査も38%。

よって、調査書と学力検査を除いた「学力以外の要素」は、都立総合芸術の一般入試と神奈総の1次で同価値とみなせるかもしれません。

 

次に、都立総合芸術の推薦入試結果を見てみます。昨年は内申28の合格があれば、内申41の不合格もあります。学力以外の要素が58%を占める状態では、内申差13でも安全とは言えないようです。

 

さらに一般入試に目を向けます。あくまで資料内に確認できる範囲のみではありますが、換算内申と学力検査で合計76点ついていた差が、実技検査で覆ったケースが見られ、これが過去3年間の最高点差でした。

ただし、これが一番重要かと思いますが、成績と学力検査の合計が一定以上のラインでは、3年間全て不合格が見られませんでした。

 

③まとめ

県立の専門科には、大きな点差が実技で覆るレアケースが存在するように思えます。しかし、大多数は評定・学力検査・実技試験の総合と思える勝負でした。

 

都立総合芸術高校舞台表現科の一般入試でも、相当な点差が実技で覆えるケースが存在するように思えます。ただし成績と学力試験をしっかり取った層は高確率で合格を手にしていました。

 

よって、新設の神奈川総合舞台芸術科は、学力で合格を安定させられるように思えます。 


「何点とっても実技で負けてしまうのではないか」と感じている人は、自信をもって学力向上に努めましょう。


また少数かもしれませんが、実技による大逆転も出る可能性があります。


「勉強に自信がないから、実技で頑張っても無理かもしれない」と思っている人は、学力検査の結果がどのようでも、あきらめてはいけません。

 

当たり前のことばかり言っていますが、1つ1つ論理立ててみるまではずっと不安が続くのが入試です。学力でも、実技でも、自分が信じる武器で点を取れるように、パフォーマンスとモチベーションを維持し続けましょう。

 

最後に、新設学科をチャレンジする皆さん。その勇気と夢に向かう姿勢を心から尊敬します。皆さんが最高のパフォーマンスを発揮できるよう応援しています。


個太郎塾稲田堤、市が尾教室

北村昌之